SNS上でも話題のデコチップ、プレゼント企画とは!?
デコチップの拡散記念にプレゼント企画もされているとか。
いまデコチップのキャンペーンで9月末まで1名様にプレゼントという企画をしていて、Twitterで募集しているんですが、今の段階(取材当時:9月下旬)で60名弱ぐらいの応募があって。
補聴器だけでなく、人工内耳、中には骨伝導タイプのユーザーさんが応募してくれていて、気合も入りますよ。フルオーダーなので、通常であれば1枚1万円以上するものなので、両耳だと2万円以上かかるから、皆さんの意気込みもすごく感じます。
抽選は皆さんのお名前を書いた紙を作って、自分の息子に引いてもらおうと思っています。(その様子はTwitterで確認できます。)
店舗での販売だと、どうしても高齢のお客様が中心になりますが、ネットの世界だと、若い方や人工内耳のユーザーさんなど、関わる方の範囲も広がりますね。普段とは大きく異なる世界を見て、北村さんとしてはどんな風にお感じですか?
高齢者の方にも、もっとおしゃれをして欲しいんですよね。
そもそも、補聴器をおしゃれにできないだろうかって真剣に考え始めたきっかけがあって。
普段ご縁のある高齢者施設の施設長さんと話をしていた時に、
「どうして補聴器ってこんなダサいの」
って言われて。杖とか車椅子にはおしゃれなものがたくさんあるのに。最初はみんな嫌がっていても、おしゃれな杖をつくことで周りの人から注目されて助けてもらえるっていう、そういう体験を積み重ねることで、杖を使ったり車椅子を使ったりしていくのに、補聴器ってこんなダサいものだと、おしゃれだから使ってみなよっていう言葉は言えないって。もっとおしゃれにすればいいのに、と言われたのがきっかけですね。
ただ、補聴器は医療機器だから、おしゃれにしたいって要望を満たそうと思うと、いろんな都合で限られちゃうじゃないですか。
カラフルなものも結局売れなければ採算取れないのでバリエーションを増やせないし、隠したいっていうニーズが多いから、地味な色ばっかりっていう状態になってしまうのは仕方がないのかなとも思っていますが。
この状況って、日本特有なのですかね?
結構 Instagram で海外の方からメッセージが来るんですよ。
「これは素晴らしい」って、ドイツとかアメリカとかいろんな国の人たちからダイレクトに英語で来ます。
Google 先生で翻訳しながらお返事を書くんですけどね(笑)
「そちらの国は 目立たせないようにするんですか」って聞いたら、どこの国もやっぱり補聴器は目立たせないようにしてると。(デコチップは)素晴らしいっていうお褒めのお言葉をいただいています。
すごい、世界とつながっている(笑)
そう、世界と繋ってるなと思いました。それで実際にお会いしてなくて、しかも東京都心からちょっと離れた場所で(北村さんの店舗は東京西部の福生市にある)、割と地域に根ざしたところで、都会みたいにいろんな客層が来るわけじゃないから、SNSで世界とすぐに繋がれるっていうのはすごく楽しいです。
もし都会の店舗だったら、デコチップみたいなものを面白いって思ってくれる人がいるだろうなと思うんですけど、この周辺は本当に生活に根ざした地域なので、しかも少し行けば山に住んでいる方もいて、足腰が悪くて店舗まで来られない方には出張対応するというような、本当に昔ながらのローカルな補聴器専門店ですからね。
そういう意味ではデコチップが入ることで真逆の世界に・・
そうですね、若い人たちとすごい年配の人たちと。間の中間がない(笑)
デコチップを通して関わった人達っていうのは何歳ぐらいの方が多いんですか?
今回応募してくれている人達の年齢層を見ても、小さい子とそのお母さんから、50〜60代ぐらいの方までいらして、範囲が広いですね。また、年齢層だけでなく、男女関係ないので、一見ターゲットが限られているようですごく幅が広いんですよ。
補聴器にデコレーションするというのは、最初は一部のムーブメントで、肝心の補聴器メーカーも費用対効果を考えると手が出せなかった領域だったと思うんです。でもこれだけ反響があるとなると、今後いろんな形で広がっていきそうですね。
若い人たちから補聴器のイメージを変えるという流れがある程度定着すると、かなり遅れて高齢者の人たちにもそのブームってやってくるじゃないですか。
だから少し時間はかかるかもしれないですが、とくにいわゆる団塊の世代といわれる70代とその手前の60代ぐらいのアクティブシニアの人達って、自分たちでインターネットで情報を調べたりとかっていうのをする世代なので、こういうブームが大きくなって若い人たちのところである程度定着すれば、そういったシニアの世代の人たちもきっと見る目が変わると思います。
補聴器着けるのを嫌だなと思っていたような人たちも、積極的に、早めに使ってもらえるような流れに持っていけるんじゃないかなって思っているんですけども。
すぐにとは言わなくても、何年かはかかっても流れとしてはそういう流れにできないかなと思ったんですよね。
ちなみに、男性からの問い合わせや応募もかなりあると。
自分の息子にも見てもらったら、いいんじゃないって言われて。こういう(十字架のモチーフの)「中二病チップ」も、男性から「かっこいい」という声をいただいています。色も綺麗だし、メタリックで十字架のデザインなのでゴスっぽい系統でもいけるし、女性からも反響があったので、ああ、こういうのもアリなんだなと思って。
他にも、応援しているサッカーチームや野球チームのカラーをつかってデザインして、それを着けて試合に応援に行きたいっていう方もいました。
そういう意味では需要は無限大で、特にオーダーメイドのデコチップは注文される方のイメージを極力再現するっていうポリシーで作らせてもらっているので、かなり幅広いデザインができるかなと思いますね。
補聴器本体の大きさによりますが、言ってしまえば大きければ大きいほど凝ったデザインができるのが逆に利点となるので、大きいサイズの補聴器を使っている人たちはめいっぱいおしゃれを楽しんでもらえる。
本当にね、今まで大きい補聴器のデザインはどうしようもなかったから・・・
本当に、ドカッと耳の後ろに鎮座して、隠すにも隠せないし、どうにもできないし。
最近の補聴器は表面に特殊加工してあるから、シールも綺麗に貼れないじゃないですか。デコチップはどうですか?
貼り付けには、ネイルシールを使っているので、ピッタリ貼れますよ。
本当ですね。質感がベトベトしてないし、すぐには剥がれないですね
もし剥がした後にネチョネチョ感が残ったとしても、キッチンペーパーにエタノールをつけてちょっと拭いてもらえれば、消毒もできるし、キレイになりますよ。
デコチップの製作、お話を伺って実物を見させていただいて、なかなか出来る仕事では無いなと思いました。先ほど仰っていたアパレル業界での経験とか、普段ネイルアートもお好きだと聞いて、ご自身の元々持ってらっしゃるスキルとか、好きなことを自分の仕事に取り入れられていて、やりがいも非常にありますね。
何かを作ること自体は割と好きなので、一石二鳥みたいなところはあります。自分で作ったもので誰かが喜んでくれるということ、目の前でウキウキ毎日が楽しいって言ってくれる方がいるということで、すごいやりがいはありますよね。
最後に、今後の北村さんの活動について教えてください。
補聴器の販売店では従来通り、地域のお客様を中心にカウンセリングからトレーニングまで、お客様一人ひとりに寄り添ってじっくり相談できるお店でありたいです。それと同時に、デコチップを通して、補聴器をオシャレなものに、世間のイメージをどんどん変えていきたいと思っています。
インタビューを終えて
北村さんの「デコチップ製作にかける熱意」の純粋な想いをヒシヒシと感じるインタビューになりました。補聴器を装用している方だって、オシャレでありたい。それだけでなく、補聴器を販売する側だって、オシャレなものを提供したい。だって、そのほうがお互い楽しいじゃないか。補聴器ユーザーも補聴器販売に関わる人も、「難聴」に対して少しでも前向きに向き合っていける、そんな希望をデコチップ補聴器に感じました。取材・シモザワ マキ(言語聴覚士・認定補聴器技能者)
デコチップの詳細(価格、注文方法、デザインなど)については北村さんのサイトをご覧ください。